消費税改正の裏話
消費税改正の裏話
これまでは、2年前の課税期間(基準期間)の課税売上高が1千万円以下の場合、本年課税期間は免税事業者となっていました。
これが今回の改正で、上記規定によると免税事業者となる事業者であっても、前年の前半6カ月の課税売上高が1千万円を超える場合、本年は課税事業者になると改められました。
ただし、前半6カ月の「課税売上高1千万円」は、「給与総額が1千万円」と置き換えることもできるとされています。
ここで、何故「給与」基準が出てきたのかが疑問だったのです。
これは今を去ること6年前に、とある製造業者が、人件費は課税仕入れにできないことから、ダミーの人材派遣会社を設立し、そこへ現在の従業員を転籍させ、そこから人材派遣を受け、派遣料を支払うようにし、それを課税仕入れとしたのです。
そしてその派遣会社は2年で清算し、新たに別の派遣会社を設立し、同様に派遣料を支払い、課税仕入れをしていたのですが、この操作が消費税の脱税として、社長と顧問税理士が逮捕されたのです。
このスキームを使えないようにするにはどうしたら良いのかを考えて、この「人材派遣業会社は、売上に対する人件費の割合が異常に高い」ことに目を付け、前半の課税売上高に代えて、給与で判断できることとしたのです。
すなわち、人材派遣業以外の事業者は、売上に対する人件費割合は、そんなに高いものではなく、それら事業者を課税対象から外すことが目的だったのです。
なるほどそういうことでしたか。